銅(Copper)の歴史的な意味と用途

目次

歴史的な意味

紀元前9000年ごろ:中東(トルコ、イラク)で自然銅を加工 → 世界最古の金属利用。

紀元前4000年ごろ:銅鉱石からの精錬開始 → 銅器時代。

紀元前3000年ごろ:錫と混ぜた 青銅(ブロンズ) が登場 → 青銅器時代へ。

現代:鉄・アルミと並ぶ「基幹金属」。

 

1.電気・電子分野

銅は 電気伝導率が全金属で2位(銀に次ぐ) のため、電気材料の主役です。

  • 電線・ケーブル(送電線、配電線、LANケーブル)
  • モーター・変圧器のコイル
  • プリント基板の導体パターン
  • 接点・端子

世界の銅需要の約半分は「電気用途」と言われます。

 

電気伝導率が高い金属 TOP3

1.銀(Ag) → 最高性能

2.銅(Cu) → 実用的にはNo.1

3.金(Au) → 高信頼性

 

2.建築・設備

耐食性・加工性に優れるため、住宅やインフラでも活躍。

  • 給水管・給湯管・ガス管(腐食しにくく、衛生的)
  • 屋根材・外壁材(銅板屋根、寺社建築の緑青銅板)
  • 空調設備の熱交換器(冷蔵庫・エアコン)


銅管の継手
Torsten Bätge, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

 

3.機械・産業分野

  • ベアリング・ギア部品(摩擦が少ない)
  • 溶接電極・金型(熱伝導が良い)
  • 造船・化学プラント(耐食性を活かす)

 

4.合金材料

銅は合金の母材としても重要。

  • 青銅(銅+スズ) → 銅器・鐘・銅像・楽器
  • 真鍮(銅+亜鉛) → 硬貨・楽器・装飾品
  • 洋白(銅+ニッケル+亜鉛) → カトラリー、医療機器

青銅

銅とスズを合金すると青銅になります。

青銅の武器や防具は、鉄の武器と防具がでるまで使用されていました。
(石器時代→青銅器時代→鉄器時代)

ブロンズ像の材質も青銅です。

 

5.硬貨・装飾品

  • 昔から銅貨や銅鏡として使用。
  • 現在の日本の10円玉は「青銅製」(銅95%+亜鉛・錫)。
  • 装飾品や工芸品(真鍮の仏具、銅細工など)。


十円硬貨。銅95%、スズ1-2%、亜鉛4-3%の青銅製。
Bank of Japan, Public domain, via Wikimedia Commons

 

6.健康・抗菌分野

  • 銅イオンは強い抗菌作用を持つ。
  • 抗菌性を利用したドアノブ、手すり、マスク、キッチン用品などが開発されている。

 

関連の記事

金(Gold)の歴史的な意味と用途
銀(Silver)の歴史的な意味と用途

△上に戻る