目次
歴史的な意味
- 古代エジプト、メソポタミア、中国などで装飾品・通貨に使用。
- 16世紀以降、南米(ポトシ銀山など)で大量産出され、世界経済を動かした。
- 日本でも「石見銀山」(世界遺産)が有名で、戦国〜江戸時代に輸出され国際貿易に寄与した。
銀は抗菌作用があり、また毒(硫化ヒ素)と反応すると黒くなるため、中世ヨーロッパでは毒殺を防ぐ目的として銀の食器の使用が流行したと言われています。
上記の毒に強いというイメージのためか吸血鬼と狼男の弱点に銀の武器(銀の弾丸)があります。
※吸血鬼の弱点として他に太陽とにんにくがありますが両方とも殺菌効果があります。
1.電子機器・電気用途(最大用途)
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銀は全金属中で最も高い電気伝導性を持つ
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主な使用例:
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スマートフォン・PC・テレビ・車載電子機器
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半導体・回路基板・接点・スイッチ・はんだ・導電ペースト
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金より安価で優れた導電性を持つため、大量生産の電子部品に向いている
最近では5G機器、EV(電気自動車)、半導体回路での需要も増加中
電気伝導率が高い金属 TOP3
1.銀(Ag) → 最高性能
2.銅(Cu) → 実用的にはNo.1
3.金(Au) → 高信頼性
2.太陽光発電(太陽電池)
- 銀は太陽電池の導電体(銀ペースト)として使用される
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特にPERC型やTOPCon型の高効率パネルで多く消費
再生可能エネルギー分野の発展とともに、銀の需要も増加傾向
3.写真・フィルム用途(減少傾向)
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昔は感光材料(ハロゲン化銀)として大量使用された
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デジタル化により大幅減少したが、X線フィルムなどで一部使用あり
感光材料
光を受けると物理的・化学的な性質が変化する材料の総称です。
写真・印刷・半導体製造・医療など多方面で利用される基盤技術です。
4.宝飾品・銀器
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美しい白い光沢と加工のしやすさから使用
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指輪、ネックレス、銀食器(スプーン・フォーク)、記念コインなど
変色(硫化)しやすいが、研磨やコーティングで対処可能
銀杯(菊紋)
内閣府, CC BY 4.0, via Wikimedia Commons
5.投資・資産保全
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銀地金(インゴット)、銀貨、銀ETF、先物取引
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金に比べ安価で「庶民の貴金属」と呼ばれることも
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景気後退時やインフレヘッジとして一部投資対象になる
銀地金(ぎんじがね)
純度99.9%以上の銀を延べ棒状にしたものです。
投資対象や工業原料として世界中で流通しています。
6.医療・抗菌用途
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銀には強い抗菌作用があり、古来より傷口の治療に使われてきた
→バクテリア・ウイルスに対して有効 -
現代では:
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抗菌包帯、創傷被覆材、医療機器表面の抗菌コート
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銀イオン・ナノ銀を使ったスプレーや衣類(消臭・防臭)も普及
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7.工芸・宗教・文化的用途
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仏具、宗教装飾品、トロフィー、伝統工芸などに使用
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