金(Gold)の歴史的な意味と用途

目次

歴史的な意味

  • 人類最古の金属使用の一つ(紀元前4000年ごろから)
  • 富・権力・神聖さの象徴として世界各地で崇められてきた
  • 紀元前から「金貨」として流通(例:古代ギリシャ・ローマ)
  • 20世紀半ばまでは金本位制によって通貨の価値が支えられていた

 

1.宝飾品(ジュエリー)

  • 全体の約50%〜60% を占める最大用途
  • 指輪、ネックレス、腕時計などに使用
  • 美しい光沢・変色しにくい・加工しやすい特性が重宝される
  • 純金(24K)のほか、18Kなど他金属との合金も多用される

18Kと24Kとは

Kは、Karat(カラット)で金の純度を表す単位です。24分率です。

18Kは、金の純度が75%であることを示します。18/24=3/4。
残りの25%は他の金属(通常は銅やニッケル)で構成されています。

24Kは、金の純度が100%であることを示します。24/24=4/4。

 

2.投資・資産保全

  • 金地金(金の延べ棒)、金貨、金ETF、先物取引など
  • 金は「価値の保存手段(Safe Haven)」として世界的に重視
  • インフレ・通貨不安・地政学リスクに対する「安全資産」
  • 中央銀行や個人・機関投資家による保有が多い

金硬貨。左側のコインはスウェーデン、右側のコインはデンマーク。
Anonimski, CC0, via Wikimedia Commons

 

金地金(きんじがね)

純度99.99%以上の金をインゴット(延べ棒)にしたもの。

投資資産や中央銀行の準備資産として世界中で流通しています。

 

3.電子部品・工業用途

金の高い導電性・耐腐食性・加工性を活かし、下記で使用されています。

  • スマートフォン、PC、半導体チップ、ICカード端子、USB端子
  • 航空宇宙・軍事用の高信頼部品
  • 医療機器(ペースメーカーなど)

※ 1台のスマホに含まれる金は0.03〜0.05g程度

 

電気伝導率が高い金属 TOP3

1.銀(Ag) → 最高性能

2.銅(Cu) → 実用的にはNo.1

3.金(Au) → 高信頼性

 

4.歯科・医療分野

  • 歯科用合金:クラウン(かぶせ物)、ブリッジなど
  • 金は体に優しく、腐食しにくく、加工しやすいため長く使用されている
  • 医療用途:ナノ金粒子を使った癌治療、薬剤運搬研究も進行中

 

5.宗教・文化・装飾用途

  • 仏像、寺社仏閣の装飾(例:金閣寺、仏壇・仏具)
  • 王冠、メダル、トロフィー、芸術品
  • 金箔(金沢産が有名):和菓子・化粧品・工芸などに応用

金閣寺-舎利殿
Kakidai, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

金閣寺には実際に金(gold)が使われています。
ただし、金塊や延べ棒のような形ではなく、「金箔」という極薄の装飾素材として使われています。

 

6.その他の用途(最近の研究・先端技術)

  • 金ナノ粒子(Gold Nanoparticles, AuNPs)
    →バイオセンサー、抗癌剤のターゲティング、光学材料など
  • 触媒(例:CO酸化反応など)
    →ナノスケールでは触媒としても働く
  • 化粧品(高級スキンケア)
    →金イオンの抗酸化作用をうたった製品も

 

関連の用語:金メッキ

金メッキとは、金属やその他の素材の表面に金を薄くコーティングすることで金属の外観や性質を向上させる技術です。

性能向上のために金メッキが施されたCPUの接点/Intel Core i7 6700K CPU bottom view
Eric Gaba, Wikimedia Commons user Sting, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

 

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