PHPを動かしてセッションを確認します。
(確認環境:Windows10,Google Chrome,PHP 7.2.8)
目次
概要 | セッションとは |
セッションの流れ | |
サンプル | サーバー側のセッションを発行/取得するコード |
初回表示時のやり取り | |
再読み込み時のやり取り | |
サーバー側のセッションIDのファイル | |
クライアント側のChromeブラウザでクッキーを確認する | |
別タブ起動時等の挙動 |
セッションとは
クライアントの画面で文字を入力してサーバーにデータを送信すると(リクエスト)、サーバーからの返信(レスポンス)でやり取りは終了します。
もう一度クライアントの画面からサーバーにデータを送信しても、サーバーは同じユーザから送信されたのかどうか判別することができません。
そのため、クライアントとサーバーの複数回のやり取りで、同じユーザが操作していることを認識したい時は、セッションの仕組みを使用します。
セッションの流れ
1.クライアントがWebサーバーにアクセスします。
2.WebサーバーのプログラムがセッションIDを生成してクッキーでクライアントに送ります。
3.再度クライアントがWebサーバーにアクセスする時、クライアントはクッキーをWebサーバーに送信します。
4.WebサーバーのプログラムはクッキーのセッションIDを取得して対象を識別します。
PHP クッキーを確認する(cookie)
サーバー側のセッションを発行/取得するコード
サーバー側のセッションを発行/取得するPHPのコードです。
画面を再読み込みすると、数値が1つ上がります。
<?php
session_start(); //セッションを開始
if (isset($_SESSION["count1"])) { //issetでセッションを確認
$rec = $_SESSION["count1"]++; //再アクセス時はcount1に1加算
} else {
$rec = "初回表示時";
$_SESSION["count1"] = 1; //セッションにkeyとvalueをセット
}
?>
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="utf-8">
<title>sessionのサンプル</title>
</head>
<body>
<?= ($rec) ?>
</body>
</html>
2行目のsession_startでセッションを開始します。
4行目のissetでセッションを確認しています。
最初の表示時の判定はfalseになり、画面に初回表示時と表示されます。
8行目はキーを指定して値を代入しています。
5行目は、値に1を加算しています。
初回表示時のやり取り
送信する
ブラウザでサーバー(上記のコード)にアクセスします。
以下は、その時にクライアントからサーバーに送信するHTTPリクエストです。
初回なのでクッキー/セッションはありません。
GET http://localhost:180/testphp/ HTTP/1.1 Host: localhost:180 Connection: keep-alive Cache-Control: max-age=0 Upgrade-Insecure-Requests: 1 User-Agent: Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; Win64; x64) AppleWebKit/537.36 (KHT Accept: text/html,application/xhtml+xml,application/xml;q=0.9,image/webp,imag Accept-Encoding: gzip, deflate, br Accept-Language: ja,en-US;q=0.9,en;q=0.8 |
受信する
以下は、サーバーからクライアントに送信されるHTTPレスポンスです。
HTTP/1.1 200 OK Date: Tue, 11 Aug 2020 04:22:13 GMT Server: Apache/2.4.43 (Win64) OpenSSL/1.1.1g PHP/7.4.7 X-Powered-By: PHP/7.4.7 Set-Cookie: PHPSESSID=62gb0iscp72sitaa94fn9js8g2; path=/ Expires: Thu, 19 Nov 1981 08:52:00 GMT Cache-Control: no-store, no-cache, must-revalidate Pragma: no-cache Content-Length: 156 Keep-Alive: timeout=5, max=100 Connection: Keep-Alive Content-Type: text/html; charset=UTF-8 <!DOCTYPE html> <html lang="ja"> <head> <meta charset="utf-8"> <title>sessionのサンプル</title> </head> <body > 初回表示時</body> </html> |
サーバで上記のPHPのコードが実行され、クライアントにクッキー/セッションが渡されます。
「PHPSESSID」の=より右の文字列「62gb0iscp72sitaa94fn9js8g2」がセッションの値(セッションID)です。
上記コードにあった"count1"とその値は送信されません。
以下は、ブラウザに表示される画面です。
再読み込み時のやり取り
送信する
以下は、再読み込み時にクライアントからサーバーに送信するHTTPリクエストです。
最終行はクッキー/セッションです。
GET http://localhost:180/testphp/ HTTP/1.1 Host: localhost:180 Connection: keep-alive Cache-Control: max-age=0 Upgrade-Insecure-Requests: 1 User-Agent: Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; Win64; x64) AppleWebKit/537.36 (KHT Accept: text/html,application/xhtml+xml,application/xml;q=0.9,image/webp,imag Accept-Encoding: gzip, deflate, br Accept-Language: ja,en-US;q=0.9,en;q=0.8 Cookie: PHPSESSID=62gb0iscp72sitaa94fn9js8g2 |
受信する
以下は、サーバーからクライアントに送信されるHTTPレスポンスです。
HTTP/1.1 200 OK Date: Tue, 11 Aug 2020 04:27:47 GMT Server: Apache/2.4.43 (Win64) OpenSSL/1.1.1g PHP/7.4.7 X-Powered-By: PHP/7.4.7 Expires: Thu, 19 Nov 1981 08:52:00 GMT Cache-Control: no-store, no-cache, must-revalidate Pragma: no-cache Content-Length: 142 Keep-Alive: timeout=5, max=100 Connection: Keep-Alive Content-Type: text/html; charset=UTF-8 <!DOCTYPE html> <html lang="ja"> <head> <meta charset="utf-8"> <title>sessionのサンプル</title> </head> <body > 1 </body> </html> |
クッキーは送信されません。
HTMLの箇所に数値の「1」が入っています。
以下は、ブラウザに表示される画面です。
この後、再読み込みを行うと数値がカウントアップしていきます。
クライアントからサーバーにクッキー/セッションをつけて送信し、サーバーからクライアントにはクッキーがない状態で受け取ります。
サーバー側のセッションIDのファイル
XAMPPでは、サーバ側にセッションIDのファイルがあります。
場所は、XAMPPをインストールしたフォルダ配下のtmpフォルダ配下です。
確認した環境では、以下です。
D:\xampp\tmp\sess_62gb0iscp72sitaa94fn9js8g2
sess_から始まる文字列がファイルです。
ファイルの中身は以下のようになっています。テキストエディタで確認できます。
count1|i:3;
クライアント側のChromeブラウザでクッキーを確認する
Google Chromeのデベロッパーツールでセッションで使用したクッキーを確認できます。
「F12」キーを押してデベロッパーツールを開き、「Application」→「Cookies」→「http://localhost」をクリックします。
クッキーの内容は、セッションIDのみ確認できます。コードで使用した"count1"とその値は確認できません。
valueの欄にある「62gb0iscp72sitaa94fn9js8g2」はセッションIDです。
サーバにあるファイル名のsess_を除いた部分と一致します。
クッキーは削除可能です。中央の丸に斜め線が入ったアイコンで削除します。
別タブ起動時等の挙動
同じブラウザで別タブを起動して操作した時
chromeブラウザでカウントを5まで上げて、別タブを開いて再読み込みした場合、別タブの方に6が表示されます。→共有されます。
別にブラウザを起動して操作した時
chromeブラウザでカウントを5まで上げて、更にchromeブラウザを別に立ち上げて再読み込みした場合、別に立ち上げたブラウザに6が表示されます。→共有されます。
以下はPHPマニュアルのセッション関連のリンクです。
http://php.net/manual/ja/refs.basic.session.php
関連の記事
XAMPP インストールとHello Worldを表示
PHP クッキーを確認する(cookie)
「HTTPリクエスト」と「HTTPレスポンス」