インターネットVPNとIP-VPNの違い

インターネットVPNとIP-VPNの違いについてです。

目次

説明 VPNとは
1.インターネットVPN
  2.IP-VPN
  3.広域イーサネット
違い インターネットVPNとIP-VPNの主な違い

VPNとは

VPNは、インターネットまたは通信事業者の回線上に、トンネリングや暗号化の技術を用いてプライベートなネットワークを構築します。

専用線よりも費用は安くなります。

使用する回線として、インターネットを使用する「インターネットVPN」と
通信事業者の回線を使用する「IP-VPN」があります。

Virtual Private Networkの略で仮想専用線とも呼ばれます。

 

1.インターネットVPN

インターネットVPNは、途中の経路はインターネットを使用するので、専用回線を使用するより値段は安くなります。

インターネットVPNの種類として拠点間VPNとリモートアクセスVPNがあります。

1-1.拠点間VPN

接続する際は、VPN接続機器(ルータ)を使用します。拠点間VPNと呼ばれます。

暗号化は一般的にIPsecやSSLといったプロトコルが使用されます。

以下は、Amazonにある実際のVPNルーターです。

 

1-2.リモートアクセスVPN

自宅のPCやスマホなどにVPN接続ソフトを入れれば、ルーター(VPN接続機器)にリモート接続できます。
L2TP/IPsecまたはPPTPといったプロトコルが使用されます。ルーターがL2TP/IPsecまたはPPTPに対応している必要があります。

SSL VPNは、基本ブラウザがあればルーター(VPN接続機器)にVPNでリモート接続できます。
暗号化にSSL(TLS)プロトコルを使用します。

以下は、Amazonにある実際のVPNソフトウェア製品です。

 

2.IP-VPN

  • 通信事業者の専用回線または閉域網を利用して仮想的なネットワークを構築します。
  • インターネットVPNよりコストはかかりますが安定性や信頼性が高まります。
  • ユーザーの各拠点は、IP-VPN網に接続するイメージです。
  • IP-VPNはレイヤ3のVPNです。
  • 通信事業者の専用の回線を使用しますが、他のユーザも利用しています。共用です。
  • MPLS(Multi Protocol Label Switching)という転送先やユーザの識別を行う技術が使用されています。

以下は、NTTコミュニケーションズのArcstar IP-VPNのリンクです。
http://www.ntt.com/business/services/network/vpn/4vpn/ip-vpn.html

WikipediaのVirtual Private Network

 

3.広域イーサネット

  • 通信事業者の専用回線または閉域網を利用して仮想的なネットワークを構築します。
  • IP-VPNとの違いは、LANで使用するイーサネットのインターフェースで接続できることです。
    →広域ネットワークはレイヤ2のVPNです。安価なL2スイッチを使用できます。
    →IP-VPNはレイヤ3のVPNです。
  • ユーザーの各拠点は、広域イーサネット網に接続するイメージです。
  • 通信事業者の専用の回線ですが、他のユーザも利用しています。共用です。
  • 設定の自由度がIP-VPNよりあります。高度な設定ができるので金融業や通信業で使用されます。また通信速度も速いです。
  • EoMPLS(Ethernet over MPLS)という転送先やユーザの識別を行う技術が使用されています。

以下は、NTTコミュニケーションズのIP-VPNと広域イーサネットの違いのリンクです。
https://www.ntt.com/business/services/network/vpn/vpn/vpn01/vpn05.html

 

インターネットVPNとIP-VPNの主な違い

名称 説明
インターネットVPN

種類:拠点間VPN、リモートアクセスVPN
インターネット回線を使用
IP-VPNより安価
IP-VPN 専用回線または閉域網を利用
カスタマイズ度は低い=設定は簡易
レイヤ3のVPN
広域イーサネット 専用回線または閉域網を利用
カスタマイズ度は高い=設定は複雑
レイヤ2のVPN

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