株式の用語(EPS,PER,BPS,PBR)

株式の用語 EPS(1株あたりの純利益)
配当性向 (はいとうせいこう)
  PER(株価収益率)
  BPS(1株あたりの純資産)
  PBR(株価純資産倍率)
  ROA(総資産利益率)
  ROE(自己資本利益率)
  ROI(投資利益率)
時価総額と企業価値

EPS(1株あたりの純利益)

EPS = 当期の純利益 ÷ 発行済株式数

EPSとは、「1株あたり」の純利益です。(earnings per share)

例:
A株式会社では、1,000円の当期純利益がありました。
発行済み株式数が100の場合、1株あたりの純利益(EPS)は、10円となります。

使い方

前期と当期の値を比較したり、1株あたりなので異なる会社どうしの比較に使用します。

自社株買いを行うと分母の発行済株式数が減るのでEPSの値は上がります。

EPSは、配当性向の計算にも使われます。(利益のうちの配当金の割合)

配当性向 (はいとうせいこう)

配当性向(%)=1株あたりの配当金 ÷ 1株あたりの純利益 × 100

例:
A株式会社では、1株あたりの配当金は、4円でした。
1株あたりの純利益(EPS)が10円の場合、配当性向は40%となります。
純利益の10円のうち6円(60%)は会社に残ります。

成長期の会社の場合、配当性向が低い場合もありますが悪いことではありません。
利益を株主に還元するよりも投資に回したほうが会社が成長し結果として株主も利益を受けるためです。

PER(株価収益率)

PER=株価 ÷ 1株あたりの純利益(EPS)

PERとは、株価に対する収益の率です。(Price Earnings Ratio)

株価は、1株あたりの純利益(EPS)の何倍になっているかを表します。

例:
A株式会社では、株価が200円でした。
1株あたりの純利益(EPS)が10円の場合、PERは20倍になります。

使い方

PERの数値が大きいと株価が割高、小さいと株価が割安という意味になります。

株価が割安であれば株価は上昇しやすくなるといえます。

東証一部のPERの平均は約15倍ですが、業種によってPERの平均は異なり通常同じ業種内で比較します。

その会社への期待が高いとPERの値は大きくなる場合があります。

成長している株であればPERが100倍を超える場合もあります。

株主としては、投資が何年で回収できるかの目安になります。20倍であれば20年です。

関係性

株価が同じで、一株あたりの純利益(EPS)が上がれば、PERは下がります。
株価が同じで、一株あたりの純利益(EPS)が下がれば、PERは上がります。

EPSが同じで、株価が上がれば、PERは上がります。
EPSが同じで、株価が下がれば、PERは下がります。

BPS(1株あたりの純資産)

BPS = 純資産 ÷ 発行済株式数

BPSとは、「1株あたり」の純資産です。(Book Value Per Share)

例:
A株式会社では、純資産が10,000円でした。
発行済株式数が1,000の場合、1株あたりの純資産(BPS)は、10円となります。

使い方

BPSの数値が高いほど、その企業の安定性が高いといえます。

もし会社が解散した場合、理論値としてBPS10円であれば1株あたり10円受け取れます。

純資産は、資本金など企業の返済が不要のものです。

PBR(株価純資産倍率)

PBR = 株価 ÷ 1株あたりの純資産(BPS)

PBRとは、株価に対する純資産の倍率です。

株価は、1株あたりの純資産(BPS)の何倍になっているかを表します。

例:
A株式会社では、株価が400円でした。
1株あたりの純資産(BPS)が200円の場合、株価純資産倍率(PBR)は、2倍となります。

使い方

1倍以上は割高、1倍より下は割安です。

ちょうど1倍は、株価と純資産の価値が同じになります。

もし会社が解散した場合、PBR1倍であれば理論値として投資した分が返ってきます。

PBRが0.5倍であれば、投資した分以上のお金が戻ってきます。

ROA(総資産利益率)

ROA(%) = 利益 ÷ 総資産 × 100

ROAとは、総資産に対する利益の割合です。(Return On Asset)

資産を使ってどれだけ効率よく利益を出しているかを表します。

利益の部分は、営業利益、経常利益、当期純利益などが使われます。

ROAが高いほど効率よく利益を上げているといえます。

電力や鉄道など大規模な設備が必要な業種のROAは低くなります。
IT企業など設備が必要でない業種のROAは高くなります。

ROE(自己資本利益率)

ROE(%) = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
ROE(%) = EPS ÷ BPS × 100

ROEとは、自己資本(株主からのお金)に対する利益の割合です。(Return On Equity)

自己資本を使ってどれだけ効率よく利益を出しているかを表します。

使い方

ROEが高いほど効率よく利益を上げているといえます。

そのため投資家が判断する指標となる場合もあります。

業種にもよりますが10%を超えると優良企業といわれます。

ただ、借金が多く自己資本が少ない場合でもROEは高くなるのでその判別は必要です。

ROI(投資利益率)

ROI(%) = 利益 ÷ 投資額 × 100

ROIとは、投資額に対してどれだけ利益を出したかの割合です。(Return On Investment)

ROIの逆数は、投資額の回収に何年かかるかがわかります。

ROIが5%のときは、1/0.05= 20年で回収できます。

ROIが10%のときは、1/0.1= 10年で回収できます。

時価総額と企業価値

時価総額 = 発行済株式数 * 株価

企業価値 = 時価総額 + 有利子負債の金額

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