国債と長期金利と利回りとオペレーションについてです。
目次
国債 | 国債とは |
国債の価格と利回りの関係 | |
長期金利とは | |
公開市場操作(オペレーション) |
国債とは
国債とは、国(政府)が発行する債券で国の借金です。
国はお金を税金で集めますが、それだけでは足りないので国債を発行します。
国債の購入者は、基本的に利息を受け取り満期日に額面金額で返済(償還)されます。
個人向け国債で個人が買うこともできます。
日本銀行が国債を直接引き受けることは原則禁止となっています。(財政法第5条)
国債の市中消化の原則と呼ばれます。
日本銀行は民間金融機関から国債を購入します。
公開市場操作と呼ばれます。
国債関連の用語
利付債 りつきさい |
定期的に利息(クーポン)をもらえます。満期時には、額面金額が支払われます。 |
割引債 わりびきさい |
額面金額より安い金額で発行されます。満期時には額面金額が支払われます。利息(クーポン)はありません。発行時の価格と額面金額の差が、利付債の利息にあたります。 |
新発債 しんぱつさい |
新しく発行される債券のことです。価格は国が決定します。 |
既発債 きはつさい |
すでに発行された債券のことです。価格は既発債を扱う市場での需給によって決定されます。 |
地方債 | 地方自治体の債券です。 |
公債 | 国債と地方債のことです。 |
社債 | 企業の債券です。 |
国債の価格と利回りの関係
国債の価格と利回りは、逆の動きをします。
価格が「上」がると、利回りが「下」がります。
価格が「下」がると、利回りが「上」がります。
理屈
一般的に株式の人気がある時は国債が売られ、株式の人気が無い時は国債が買われます。
景気が良くて株式の人気がある → 国債の人気がない=国債の価格が安い → 額面金額との差が大きい → 利回りが高い
景気が悪く株式の人気がない → 国債の人気がある=国債の価格が高い → 額面金額との差が小さい → 利回りが低い
長期金利とは
新発債の10年の国債の利回りのことを長期金利といいます。(新規に発行する償還期間が10年の国債)
残りの期間が10年に最も近い国債です。
景気の指標になります。
長期金利があがると、銀行の企業への貸付金や住宅ローンの利息が上がります。
2018年5月11日時点の長期金利は、0.045%です。
以下は、2006年~2022年の日本国債10年物利回りのチャートです。
2016年2月は、史上始めて長期金利がマイナスになりました。
公開市場操作(オペレーション)
日本銀行と民間銀行の間での国債の売買は、日本銀行が行う公開市場操作(オペレーション)の一つです。
市場における紙幣の供給量を操作します。
買いオペレーション
日本銀行が国債を民間銀行から買い取る(民間にお金を供給する) → お金が余る状態 → 金利が下がる
国債を買うので買いオペレーション、買いオペとも呼ばれます。
2022年4月28日、日本銀行は10年国債利回りを0.25%で無限に買い取る指し値オペ(公開市場操作)を毎営業日実施すること発表しました。(金利の上昇を抑える狙い) →ドル円相場は円売りとなり、1時、1ドル=131円の円安になりました。 |
売りオペレーション
日本銀行が民間銀行に国債を販売する(民間からお金を吸い上げる) → お金が足りない状態 → 金利が上がる
国債を売るので売りオペレーション、売りオペとも呼ばれます。
以下は、日銀の公開市場操作のQAのページです。
https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/seisaku/b34.htm/
以下は、財務省の国債のページです。
https://www.mof.go.jp/jgbs/summary/kokusai.html
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