ランサムウエア(Ransomware)の解説と対策方法

目次

ランサムウェアとは

ランサムウェア(Ransomware)とは、感染した端末やサーバのデータを暗号化、または窃取(せっしゅ)し、復旧や非公開と引き換えに金銭(身代金)を要求するマルウェアの一種です。

近年では単なる暗号化型ではなく、データ窃取と公開脅迫を組み合わせた攻撃(多重恐喝)が主流となっています。

ランサムウェアの特徴

  • ファイルやシステムを暗号化して使用不能にする
  • 機密情報を外部へ送信(窃取)する
  • 復号や非公開と引き換えに金銭を要求する
  • 支払っても復旧が保証されない

業務停止+情報漏えい+金銭要求の複合被害になります。

 

現在の主流:多重恐喝

従来 データを暗号化 → 身代金要求
現在 データ窃取(先に盗む)
暗号化
公開サイトでの暴露脅迫
取引先への連絡(追加脅迫)

ランサムウェアの感染経路

主な侵入経路は以下です。

1.認証情報の漏えい ID・パスワードの使い回し
フィッシング攻撃
情報漏えいリストの悪用
2.リモートアクセスの悪用 VPN機器の脆弱性
RDP(リモートデスクトップ)の不正アクセス
MFA未設定
3.メール・Web経由 不正な添付ファイル
マルウェア配布サイト
偽装アップデート
4.ソフトウェアの脆弱性 OSやミドルウェアの未パッチ
サプライチェーン攻撃

 

攻撃の流れ

① 侵入(VPN・メール・脆弱性)

② 認証情報の取得

③ 内部ネットワークへの横展開

④ 管理者権限の奪取(AD侵害など)

⑤ バックアップの削除

⑥ データの窃取

⑦ データ暗号化

⑧ 身代金要求

暗号化の前に内部侵害が完了しているケースがほとんどです。

 

ランサムウェアとC2サーバ

ランサムウェアは多くの場合、C2(Command & Control)サーバと通信して動作しますが、通信を行わないオフライン型も存在します。

ランサムウェアの役割:

  • C2サーバから攻撃指示を受信
  • 盗んだデータの送信
  • 暗号化処理の実行

※一部のランサムウェアは、通信を行わずローカルで暗号化を実行する場合もあります。

主な被害

1.業務停止 システムが使用不可
サービス停止
2.情報漏えい 顧客情報
社内機密情報
取引先情報
信用低下
3.金銭的損失 身代金
復旧コスト

 

国内の主要事例

徳島県つるぎ町立半田病院(2021年) 電子カルテが全面停止、約2か月以上、紙運用へ移行
原因:VPN機器の脆弱性放置、ID/パスワード管理の不備
トヨタ自動車(2022年) 取引先(小島プレス工業)への攻撃、国内全工場停止(約1日)
原因:サプライチェーン経由の侵害
大阪急性期・総合医療センター(2022年) 電子カルテ停止、数万件規模の患者情報に影響
原因:VPN装置の設定不備・認証不備
名古屋港運協会(2023年) コンテナ搬出入停止(約2日)、日本の物流に影響
出版取次会社(複数)(2023年) 書籍流通システム停止、出版物流に影響
KADOKAWA(2024年) ニコニコなどサービス停止、長期間の復旧対応、情報漏えいの可能性
特徴:大規模サービス停止、多重恐喝型の典型

    ランサムウェアの対策

    対象 対策の要点 具体例(簡潔)
    企業(情報システム担当) 侵入前提での多層防御と被害最小化 MFA導入、EDR監視、ネットワーク分離、権限管理、オフラインバックアップ、ログ監視
    個人・中小企業 感染を防ぐ基本対策と簡易バックアップ OS更新、ウイルス対策ソフト、不審メール回避、MFA設定、外部バックアップ

    EDR監視(EndpointDetectionandResponse)とは、PCやサーバ(=エンドポイント)の動きを常時監視し、不審な挙動を検知・対応する仕組みです。

     

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