核分裂と核融合の違い

目次

核分裂と核融合の違いのまとめ

反応の仕組み 代表例 燃料
核分裂 重い原子核が分裂して軽い原子核になる 原子力発電所、原子爆弾 ウラン・プルトニウム(有限資源)
核融合 軽い原子核が結合して重い原子核になる 太陽のエネルギー、実験炉(ITER) 重水素・三重水素(海水から得られる)

核分裂 → 「重いものを割る」/技術は実用済みだが廃棄物やリスクが大。

核融合 → 「軽いものを合わせる」/クリーンだが制御が難しい。

 

核分裂とは

仕組み

重い原子核(例:ウラン235、プルトニウム239)が中性子を吸収し、より軽い原子核に分裂する反応。

原子力発電や原子爆弾。

特徴

  • エネルギーを取り出す技術は確立されており、発電に利用されている。
  • 放射性廃棄物(半減期の長いものを含む)が大量に発生する。
  • 核分裂連鎖反応を制御しないと暴走(臨界事故、原子爆弾化)の危険がある。

臨界事故

原子炉や核燃料の取り扱い中に、意図せず核分裂の連鎖反応が制御不能な状態で起きてしまう事故のこと。

東海村JCO臨界事故(1999年)・・・日本の原子力史上、最も重大な臨界事故。

炉心溶融(メルトダウン)

2011年の福島第一原子力発電所事故では、

東日本大震災の津波で冷却機能を失い、炉心が過熱し燃料が溶け落ちる「炉心溶融(メルトダウン)」が発生。

 

核融合とは

仕組み

軽い原子核(例:水素の同位体である重水素や三重水素)が結合して、より重い原子核(例:ヘリウム)になる反応。

太陽や恒星の内部で起きている反応。

特徴

  • 膨大なエネルギーを発生する。
  • 原料が豊富(海水中の水素を利用できる)。
  • 放射性廃棄物はほとんど出ない。

ただし、超高温・高圧環境が必要で、制御が非常に難しい。

太陽の核融合

水素の原子核がくっついてヘリウムになり、そのとき失われた質量がエネルギーに変わって光と熱を放つ反応

 

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