ネットワーク nslookupとdigの違い

目次

nslookupとdigの違いのまとめ

用途 歴史 対話モード
nslookup 簡単な名前解決の確認 古くから存在
現在は非推奨
あり
dig 詳細なDNS調査・トラブルシューティング向け BIND付属ツール
推奨コマンド
なし

どちらもDNSの問い合わせに使うコマンドです。

nslookupとは

  • 古くから使われているDNS調査コマンドです。
  • 1990年代〜2000年代に広く使われていました。
  • 詳細な調査には向いていません。
  • BIND9 以降は、非推奨 (deprecated)とされており、将来的な利用は推奨されていません。
  • Windowsでは「Resolve-DnsName」への移行が推奨されます。

コマンド実行例

$ nslookup www.example.com
Server:   8.8.8.8
Address:  8.8.8.8#53

Non-authoritative answer:
Name:    www.example.com
Address: 93.184.216.34

2行目は、問い合わせに使ったDNSサーバのホスト名(またはIP) を表示します。

3行目は、実際に問い合わせたDNSサーバのIPアドレスとポート番号を表示します。
#53はDNSの標準ポート番号53です。

5行目は、権威サーバではないDNSサーバ からの応答であることを示します。
キャッシュされた情報を返している場合です。

6行目は、問い合わせた名前(ホスト名/ドメイン名)を表示します。

7行目は、解決されたIPアドレス(Aレコードの値)を表示します。
複数のIPがある場合は複数行出ます。

digとは

  • BINDパッケージに含まれるコマンドで、現在はDNS問い合わせの標準ツールとして推奨されています。
  • レコードタイプ指定(A, MX, TXT, NSなど)、DNSSEC情報、再帰有無の確認、問い合わせ先サーバ指定など柔軟です。
  • Linux/Unix系で標準的に利用され、詳細な結果を返します。

コマンド実行例

$ dig www.example.com
; <<>> DiG 9.18.12 <<>> www.example.com
;; global options: +cmd
;; Got answer:
;; ->>HEADER<<- opcode: QUERY, status: NOERROR, id: 12345
;; flags: qr rd ra; QUERY: 1, ANSWER: 1, AUTHORITY: 0, ADDITIONAL: 1

;; QUESTION SECTION:
;www.example.com.          IN  A

;; ANSWER SECTION:
www.example.com.   2605  IN  A  93.184.216.34

;; Query time: 25 msec
;; SERVER: 8.8.8.8#53(8.8.8.8)
;; WHEN: Sat Sep 13 01:20:00 JST 2025
;; MSG SIZE  rcvd: 65

2行目は、使用しているdigのバージョンと、問い合わせたドメインを表示。

5行目は、以下です
opcode:実行した操作の種類(QUERY=通常の問い合わせ)
status:応答の状態
・NOERROR=正常
・NXDOMAIN=ドメインが存在しない
・SERVFAIL=サーバ内部エラー
id:DNSメッセージの識別子

6行目は、以下です
flags:応答の属性
・qr:応答(Reply)であること
・rd:再帰問い合わせを要求した
・ra:再帰問い合わせが利用可能
QUERY/ANSWER/AUTHORITY/ADDITIONAL:各セクションのレコード数

9行目は、何を問い合わせたかを表示しています。
ここでは「www.example.comのAレコード(IPv4アドレス)」です。

12行目は、DNSサーバの応答内容です。
順に、ドメイン名 (www.example.com.)、
TTL(キャッシュ可能秒数、ここでは2605秒)、
クラス (IN = Internet)、
レコードタイプ (A = IPv4)、
値(93.184.216.34)

15行目は、応答を返したDNSサーバのアドレスとポート番号です。

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DNSの仕組みの概要(ドメイン・ネーム・システム)

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