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階段の登りの健康効果
階段を登ることは、健康に良い運動です。しかも短時間で高い効果が得られるという点で優秀です。
主なメリット
| 心肺機能の向上 | 心拍数が一気に上がるため、有酸素運動(※1)として心臓と肺を効率よく鍛えられます。定期的に続けると、安静時の心拍数が下がり、心肺の余力が増します。 |
| 下半身の筋力強化 | 大腿四頭筋(太ももの前側にある筋肉)、ハムストリングス(太ももの裏側)、お尻周りの筋肉、ふくらはぎなど、体の中で最も大きな筋肉群をまとめて使います。筋肉量が増えると基礎代謝も上がります。 |
| カロリー消費・ダイエット効果 | 同じ時間の平地歩行と比べて、消費カロリーは約2〜3倍です。エレベーターを階段に変えるだけで、日々の消費カロリーが積み重なります。 |
| 骨密度の維持 | 体重をかけながら行う荷重運動(※2)なので、骨に適度な刺激が加わり骨粗しょう症の予防に効果的です。 |
(※1)有酸素運動とは、酸素を使ってエネルギーを作りながら行う運動のことです。
(※2)荷重運動(かじゅううんどう)とは、自分の体重(荷重)を骨や関節にかけて行う運動です。
ポイント1
一気に登らなくてOKです。10階☓2本と5階☓4本は、ほぼ同じ効果があります。
理由は、仕事量(エネルギー)が同じだからです。
仕事量 = 体重 × 重力 × 高さ
10階×2本も5階×4本も、合計で登る高さは同じ(20階分)なので、消費カロリーや筋肉が行う仕事量は理論上同じです。
ただ、以下の違いがあります。
10階×2本は、心拍が高い状態が続くので心筋そのもの(大量の血液を送り続ける持久力)を鍛えられます。
5階×4本は、心拍数が上がる→下がる→上がるを繰り返すので心臓が素早く対応する能力(適応能力)を鍛えられます。(急いで駅まで走った後、すぐ落ち着ける、驚いたり緊張した後、心拍が早く平常に戻る)
ポイント2
登る時よりも、降りる時の方が膝への衝撃が大きいです。膝に不安がある場合は、登りだけ階段を使い、降りはエレベーターを利用するのも賢い選択です。
階段を登ると息が上がる理由
階段を登ると息が上がる理由は、距離ではなく重力に逆らって体重を持ち上げる仕事量にあります。
主な理由
1. 消費エネルギーが非常に大きい
水平移動と違い、階段は自分の体重を垂直方向に持ち上げ続けます。
体重と高さ分のエネルギーが必要で、歩く距離としては短くても消費エネルギーはかなり大きいです。
2. 筋肉が大量の酸素を要求する
脚の大きな筋肉(大腿四頭筋(太ももの前側にある筋肉)、お尻周りの筋肉)をフル稼働させるため、筋肉への酸素供給を急激に増やす必要があります。心臓と肺はその需要に応えようとフル回転します。
これらの筋肉は大きくてエネルギー消費が多いので、酸素・ブドウ糖(エネルギー源)を大量に必要とします。
そのため心臓は血液(=酸素+栄養)を脚に優先的に送り込む必要があります。
また、呼吸するための筋肉(横隔膜・肋間筋(胸の筋肉))にも血液が必要になります。
3. 運動時の呼吸増加メカニズム
運動開始直後は筋肉の酸素需要に供給が追いつかず、一時的に無酸素代謝(※1)も使われます。その際に二酸化炭素が増加(※2)し、呼吸が促進されます。さらに運動後は体の回復のために酸素消費が増加し、しばらく呼吸が高い状態が続きます。
(※1) 無酸素代謝とは、酸素を使わずにエネルギーを作る仕組みです。
(※2)二酸化炭素(CO₂)はまず筋肉内で増え、その後血液中に増えて、最終的に肺に運ばれて吐き出されます。
4. 連続した動作で休憩がない
平地歩行はある程度惰性で進めますが、階段は一歩ごとに体重を持ち上げる動作の繰り返しで、筋肉に休む間がありません。
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