AWS Transit GatewayとVPC Peeringの違い

目次

Transit GatewayとVPC Peeringの違いのまとめ

用途 接続形態 規模
Transit Gateway 複数のVPC・オンプレ・VPNを集約してハブ接続 ハブ&スポーク型 (中央集約) 中〜大規模
VPC Peering 2つのVPCを直接接続 1対1のVPC間の直接ルート 小規模

Transit Gatewayとは

複数のVPCやオンプレミスネットワークを一元的に星型(ハブ&スポーク型)で接続するのネットワークハブサービスです。

ルートテーブルには、tgw-と表記されます。

 

Transit Gateway がない場合

通常、2つのVPCを接続するにはVPCピアリングを使います。

しかし、VPCの数が増えて例えば10個のVPCを互いに繋ごうとすると、45本もの接続設定が必要になります(これをフルメッシュ構造と呼びます)。

接続数が増えるほど、ルートテーブル(経路情報)の更新や管理が困難になります。

Transit Gatewayであれば、すべてのVPCが中心のハブに接続するだけで済むため、管理がシンプルになります。

 

メリット

運用の簡素化 新しいVPCを追加する際、Transit Gatewayに1本繋ぐだけで既存の全ネットワークと通信可能になります。
一元管理 通信のルーティングポリシーやセキュリティを一箇所で制御できます。
オンプレミス連携 Direct ConnectやVPNをTransit Gatewayに接続することで、社内ネットワークから複数のVPCへ一気にアクセスできます。
マルチアカウント対応 組織(AWS Organizations)内の異なるアカウントにあるVPC同士も簡単に接続できます。

 

接続できるもの

接続先 接続方法
同一リージョンのVPC VPCアタッチメント
別リージョンのVPC Transit Gateway ピアリング
オンプレミス VPN アタッチメント
専用線(Direct Connect) Direct Connect Gateway 経由
別アカウントのVPC Resource Access Manager(RAM)で共有

 

料金の考え方

Transit Gatewayは以下の2軸で課金されます。

課金対象 内容
アタッチメント料金 接続しているだけで発生(通信しなくても課金)
データ転送料金 Transit Gatewayを通過したデータ量

 

Transit Gatewayはネットワーク構成が複雑になる中〜大規模なAWS環境で特に威力を発揮します。

複数VPC・複数アカウント・オンプレミス接続が絡む場合は、Transit Gatewayで一元管理するのがベストプラクティスです。

VPC Peeringとは

VPC Peering(VPCピアリング)とは、2つのVPCを直接つないで通信できるようにする仕組みです。

ルートテーブルには、pcx-と表記されます。

 

主な特徴

  • インターネットを経由しない
  • パブリックIPアドレスやインターネットゲートウェイが不要
  • Transit Gatewayのような中間ハブが不要
  • 直接接続のため低コスト

 

設定の流れ

  1. VPC-Aの所有者がピアリング接続をリクエスト
  2. VPC-Bの所有者がリクエストを承認
  3. 両方のVPCのルートテーブルにルートを追加
  4. セキュリティグループ・NACLで通信を許可
  5. プライベートIPで相互通信が可能に

 

制約事項

  • 接続する2つのVPCでIPアドレス範囲(CIDRブロック)が重なっていると、ピアリングは設定できません。
  • VPC AとVPC Bが繋がっていて、VPC BとVPC Cが繋がっていても、VPC AからVPC Cへ通信することはできません。AとCを繋ぐには、別途AとCの間でピアリングを貼る必要があります。
  • あくまで1対1の接続です。数が増えると網目状(フルメッシュ)になり、管理が複雑化します。

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